NY駐在⑧
化粧品店のイメージ?
多言語による美容教育や宣伝広告が奏功し、取引店は面白いほど増えていきましたが、必ずしも順風満帆というわけではありませんでした。
アメリカの化粧品市場のメインは当時各都市に点在していたデパートでした。
まだ、通信販売やSephoraのようなハイグレードな化粧品販売店がなかった時代でしたから、プレステージ化粧品の大部分はデパートの化粧品カウンターで販売されていました。
日本に比べればそれほどイメージ性の高い売り場ではありませんでしたが、とにかく圧倒的な力を持っていましたので、近隣に目立ち始めた我々のアジア系化粧品店は彼らの目の敵にされました。
同じ社内のデパート担当部門からも、自分たちの売り上げに影響が及ぶと、我々アジア部門に常にブーイングを浴びせかけていました。
「お前らの赤字を補填しているのは我々なんだよ!」
と切り返してもどこ吹く風で、随分と悔しい思いをしたことを覚えています。

勝手なことを言いやがって!
彼ら(ほとんどが白人の現地社員でしたが)からすると、ただでさえごちゃごちゃして汚いイメージのあるチャイナタウンやコリアンタウンで、劣悪なイメージのアジア系化粧品店で誉れの高いS化粧品を販売するとは何事か、と言うことです。
売られた喧嘩を受ける形で、我々はトレーニングの改善の次に店舗イメージの刷新に取り組むことになりました。
そうは言っても、利益率は良いもののその大半をデパート部門の赤字の補填に回すことを求められている中で、きれいなイメージの店舗を創っていくことは頭の痛い問題でした。
デパートを錦の御旗に、
「デパートはイメージ拠点なので立派な化粧品コーナーが必要だ。だから赤字でも仕方ない。その分はお前らがかせげ。イメージはくずすなよ」
とでも言っているかのようでした。
まったく「Give me a break!」と言い返したい気持ちでした。