Singapore駐在②
初めての洗礼
最初の洗礼を受けたのは半年くらいたった時だったと思います。
詳細にははっきりと覚えてはいませんが、社員への福利厚生の一つであるグルーミングといって、定期的に社員に一定額の化粧品を無償提供するような仕組みがありました。
私がその内容を下のクラスの社員を少し優遇するようなものに独断で変えてみると、5~6人程度の女性幹部連たちが社長室に押しかけてきて、私が勝手に決めたことを撤回するように強く求めてきたのでした。
彼女らからしたら、来たばかりの何も知らない優男に勝手な真似をさせるものかという感じで、さすがに驚いたというよりは少しひるんでしまいました。
恐らく、今後の主導権を維持するためのポーズだったと思いますが、私には逆にこれからのリーダーシップを確保するためのヒントを与えてくれました。

仁義
先ずは勝手に決めたことのお詫びをしました。
これは決して本心ではありませんでした。
私のスタイルは自分で考えたことを実現させていきたいというもので、いつも部下の皆さんの言うとおりになるつもりは全くありませんでした。
とは言っても、業務で無駄な抵抗に遭ったり、その遂行を妨げられるのは何としても避けたいという気持ちで一杯でした。
そこで、「あらゆることの提案や報告は会議体にかけて社員の意見を尊重していく。ただし、私が絶対だと思うことは何と言われても実行していく」と宣言しました。
言ってみれば体裁を整えた民主主義的な経営を宣言したようなものでした。
その後、何回かは同じような抵抗に遭いましたが、基本的には思うように方針を決めて実行することができました。
とは言ってみても、その方針の正解であった確率は2分の1で、「もしかしたら彼女たちの言うことを聞いておいた方がよかったkも」と心の奥で思ったことは1度や2度ではありませんでした。
基本的に社員のほとんどは中華系で、メンツを重んじる風土が強く、やくざの世界ではありませんが、お姉さん達の顔をたてながらも、何とか社員の協力を得られるようになりました。