その瞬間
私の英語のクラスには、下は小学生から、上は仕事上英語が必要になったということで、それこそ何十年ぶりに英語に向き合われる会社員の方まで、幅広い年齢層の方が英語を学習されています。
強い目的や学習意欲をもって入会される方は稀で、英語の成績が悪くて親御さんに無理やり通わされるようになったお子さんも多いことも現実です。
なるべくやさしく分かりやすいように心がけ指導させてもらっていますが、それでもなかなか理解できない、英語が好きになれない生徒さんもいらっしゃいます。
何とかわかるように教えようとあの手この手で向かい合うのですが、それでも時々匙を投げたくなるような場合も数多くあります。
そんな中、先日まさに「That opens my eyes.」の事例がありました。小学校6年生の生徒さんで、いわゆる一般動詞の三人称単数の書きかえ問題を指導していた時でした。

どなたも経験する「I play the piano.」の主語をheに置き換え文章を書きかえなさいという英語の学習で最初に経験するあの厄介なパターンです。
絵を見せたり、ロールプレイングなどでは「He plays the piano.」という回答が返ってきて、理解できているなと安心するのですが、その直後の確認テストでは「He play the piano.」という回答に逆戻りです。

あれだけやったパターン練習では理解しているはずなのにと思い、「教え方が悪いのかな?」などと悩んだりしました。
あるときその理由がわかりました。
パターン練習のやり方がまずかったのです。
パターン練習はあくまで同じパターンをなぞらえて自動的に反復するだけの手法で、そこに学習する本人の理解しようとか確認しようとする意識がなければ何の意味もないことに気づきました。
その生徒さんは私や周りの生徒さんたちに理解できていないことを気取られたくなくて、瞬間、瞬間は条件反射的にパターンを踏襲しているだけで、理解しようとか自分のものにするための確認はされてなかったのです。
ただ単に私や他の生徒さんの目を気にして、とにかく早くその場をすり抜けたいという気持ちでいっぱいだったのでしょう。そこでその生徒さんに「問題を一問ずつ解いた後に、理解できたのか、これでいいのか」を確認しながら、次の問題に進んでいこう」ということを提案しました。
するとその生徒さんは問題を解きながら、指差し点呼さながらにぶつぶつ言いながら確認している様子がうかがえました。そうすると、そのあとは全問正解で何か自信をもって答えるようになったと感じられました。
その瞬間から彼の意識が変わり少しずつ英語が好きになってくれることを祈る限りです。
はて、この意識をもってのパターン練習は最近の私にもかけていたことを再確認でき、逆に生徒さんに感謝です。