NY駐在④
ある問題
店数も売り上げも順調に上がっていったのですが、私はある問題に気づきました。
前回お話しした通り化粧品の使い方や成分の教育は共通語の英語で行われました。
教える方には何も問題はありませんでした。
チームのメンバーは、香港、台湾、中国の中華系出身者と、韓国系のアジア人から構成されていましたが、彼女らの誰もがアメリカでしっかりとした教育を受けていて、全く英語によるコミュニケーションには問題はありませんでした。
ところがです、トレーニングを受けてその内容を店頭でお客様に伝えていく販売担当者の方に大きな問題があったのです。
化粧品店における英語事情
当時のアジア化粧品店部門は規模も小さいですし、主流のデパート部門が毎年大きな赤字を計上していたので、私たちが販売やマーケティングで使える費用は極端に制限されていました。
年二回のLAとNYで開かれる美容トレーニングに招待できる人数は各店1名と限られていました。
これは多くの方々が飛行機で飛んできて、時には宿泊代も会社持ちなので、人数には当然縛りがかかるわけです。
各お店から招待されるのはほとんどは店主である女性でした。
私も見落としていたのですが、彼女らの多くは10年程度前にアメリカに移住してきたアジア人であり、その大半がしっかりとした英語教育を受けてはいませんでした。
そうするとトレーニングの流れとしてどうなったかと言いますと、大雑把に言うと次のようなことになります。

100が25に?
私たちのトレーナーが英語で100の情報を来場されたご店主たちに提供しても、彼女たちが理解したのは半分の50。
その店主のご婦人たちがご自分の店に帰り、化粧品担当者の従業員に伝達できることはその半分の25になってしまうわけです(これはあくまでもイメージであり、正確に検証したわけではありませんが)。
つまり、せっかく飛行機で来てもらってトレーニングを受けてもらっても、教わった内容の4分に1しか店頭のお客様に伝わらないことになります。
何故かと言いますと、化粧品店のご店主や従業員さんたちのほとんどは、中国・台湾や韓国からアメリカに渡ってそんなに時間のたっていないNon Native English Speakerだったのです。
当時、私たち日本人駐在員は自分たちの英語能力の低さをを揶揄して、自分たちの使う英語を「Handicapped English」などと言っていましたが(今ではhandicapped という言葉はNGですが)、彼女たちの英語も私たちと同じくらい低いレベルだったのでした。